2015年9月28日

インヴェンション No.3 - BWV 774

第3番 ニ長調 D major
By http://www.mutopiaproject.org [Public domain], via Wikimedia Commons

Glenn Gould

Tatyana Nikolayeva
BWV783 (0:00) - 784 (1:45) - 777 (3:02) - 774 (6:25)


Paul Barton

Cory Hall


楽曲分析

バッハがスラーを記載した曲です。
へミオラのリズムを含むリトルネッロ的なフレーズが繰り返し現れます。

第1部 < 1-11> 主調 - 属調(提示+自由な模倣)
第2部 <12-23>  属調 - 平行調(展開)
第3部 <24-42>  平行調 - 属調 - 主調(展開+経過)
第4部 <43-59>  主調(提示+終結)

第1部 < 1-11>  I - V(D - A)
第2部 <12-23> V - II- VI(A - e - b)  
第3部 <24-42> VI - II - V - I - V - I(b - e - A - D - A)
第4部 <43-59> I - IV - I(D - G - D)

ニ長調の調関係
I 主調      D:ニ長調(F♯ C♯)
II  下属調の平行調 e:ホ短調(F♯)
IV 下属調      G:ト長調(F♯) 
V  属調       A:イ長調(F♯ C♯ G♯)
VI 平行調      b:ロ短調(F♯ C♯)



用語

へミオラ:
3拍子に2拍子を組み込む、または2拍子に3拍子を組み込むこと。
インヴェンション第3番では、本来の3拍子に2拍子が組み込まれている部分がある。

リトルネッロ:
バロック時代の協奏曲の急速楽章(アレグロなど)で用いられる形式。
主題を奏でるトゥッティ(総奏)とソロ(独奏)が交互に現れる構成になっている。
バッハの作品では、イタリア協奏曲(BWV 971)、ブランデンブルグ協奏曲(BWV 1046 - 1051)などにリトルネッロ形式の楽章がある。
インヴェンション第3番は、リトルネッロの技法を取り入れており、へミオラのリズムを含むリトルネッロ的なフレーズが繰り返し現れる。